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110話

「この小僧、どこ見てんのよ!」白瑩は私の視線の先を追い、私がまだ悪癖を改めず彼女の胸元から漏れる春の光景に釘付けになって唾を飲み込んでいるのを見て、たちまち頭に血が上った。片手で胸元を押さえながら、駆け寄ってきて平手打ちを喰らわせようとした。

私はすぐに反応した。もう何度も彼女にやられているが、今度も彼女の手に引っかかるようなら、王を名乗る資格はない!

一歩後退し、大きな手で彼女の小さな手をつかんだ。私は彼女より年下だが、れっきとした男だ。この程度の力も受け止められないなら、今まで何をしてきたというのか?

「へへ、白瑩姉さん、忘れたの?俺は武家の出身だぜ。こんな猫なで声程度の技、俺の目に...