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1086話

「君はこのためにだけ、劉俊傑を連れてきたのか?」

老人はまだ私の行動にあまり賛成していない様子だった。「分かっているだろう、この件がどれほど危険なものか。一度こういった事に足を踏み入れたら、もう抜け出せなくなる。君の若い友人は、本当に覚悟ができているのかね?」

なるほど、そういうことか。

私の動きが一瞬止まった。劉俊傑の家は代々商売をしてきた家系で、あいつ自身も安逸な生活を好む性格だ。こんな世界に入りたがるかどうか、分からない。老人の言う通り、一度こういった悪の勢力と関わってしまったら、もう汚名を返上することはできない。

「もう一度訊いてみます。もし来たくないようでしたら、その時は信頼で...