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1054話

「お願い、こんな酷いことしないで、何が欲しいの?全部あげるわ。いくらでもあげるから。ベッドの横に金庫があるの、暗証番号は3113よ。早く行ってお金を取って、警察には絶対に通報しないし、誰にも言わないから……」

「お願いだから、私を許して」

レイプされるような錯覚、何も見えない無力感、これからどんなことが起こるか分からない恐怖感が、白瑩の体を可能な限り丸く縮こませ、身を守る姿勢を取らせていた。

彼女は緊張で全身汗だくになり、その汗が徐々に流れ落ち、すらりとした首筋を伝って下へと続いていく。その透明な汗は、まるで朝一番の澄んだ露のように、私の腕に滴り落ちた。

私は思わず大きく震え、もう少しで心が揺...