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1012話

「きっとジョンと組んだ奴だな」と思いながら車を乗り入れると、案の定、向かい側にジョンの姿が見えた。彼は後ろに身を隠し、何もかもが自分とは無関係であるかのように、物憂げにこの状況を眺めていた。

この男は、何をするにしてもこうも冷酷で、こうも手段を選ばないものなのか!欲しいものは決して手放さず、失敗することもない。唯一の敗北があるとすれば、それは私との一件だけだろう!

「どうしたんだ?」

ジョンを見つけた途端、逆に安心した。てっきり誰かが王有権に直接難癖をつけて命を狙っているのかと思ったが、今見れば、ジョンが彼に与えた警告に過ぎないようだ。

今のジョンには私という敵が後ろに控えている。当然...