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76話

「人間万事塞翁が馬」という言葉がある通り、窮地に追い込まれても道は開けるものだ。

まさに彼らが弾薬も食料も底を尽きかけた時、強烈なエンジン音が山の下から彼らの耳に届いた。それは限界まで回転数を上げられたモーターの唸りで、その速さは喜ばしいほどだった。

山上の人間も明らかにその轟音を聞きつけたようで、銃弾の雨はさらに激しさを増していた……

その時、謝雲は近づいてくるエンジン音に耳を傾けながら、突然確信を持った口調で言った。「あと一分が勝負だ。一分後までに仕留められなければ、奴は撤退する」

謝雲の言う通りだった。彼を迎えに来た者たちは今、全速力で山を駆け上がっていた。彼らがここに到着すれば、孤立無...