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49話

「温子渊から前日の謝氏との交渉結果を聞いていると、温鵬は思わず眉をひそめた。本来、彼らが謝氏のルートを通じて阿片を密輸することは、両家にとって暗黙の了解のはずだった。謝家は若かりし頃の温鵬が謝家のために尽くし、最後には足を負傷して今では障害を負ってしまった経緯を見て、温家の商売にはなにかと便宜を図ってきた。だが今回、どうして突然態度を変えたのだろうか?

しかし……」

温鵬は考え込みながら、車椅子に座ったまま首を振り、笑いを浮かべると、背後にいる誇りの息子に振り返って言った。「これもいいことだ。そうでなければ、私はずっと謝家に恩を感じていたからな。こうして物事を表に出してくれたおかげで、我々...