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210話

謝雲は依然として何も言わず、楚凌はその言葉を残して振り向き、自分の荷物を片付け続けた。謝雲の露骨な視線を受けながらも、まったく動じる様子はない。

会話が途絶えると、寝室に漂う二人の男の呼吸がより一層明確に感じられるようになった。同じく穏やかで長い息遣いでありながら、空気の中で一体となることはない……

部屋には言葉では表現しがたい雰囲気が漂っていた。少し気まずさがあり、よく考えると何か未練めいたものさえ感じられて……

この感覚は非常に微妙であり、特に謝雲と楚凌の間では顕著だった。楚凌には分からなかった。いつもなら冷静沈着な謝雲がなぜ突然自分の部屋に現れ、一言も発せずに自分が荷物を片付ける様...