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21話

暗闇の中、その人物は棚の中央部分に視線を向け、左右を見回した後、やや左側から四、五冊ほどの書類ファイルを引き出した。しかしその時、彼が全く予想もしなかったことに、スイッチが軽く擦れる音とともに、それまで漆黒の静寂に包まれていた資料室が一瞬にして眩しいほど明るく照らし出された……

大柄な男が急に振り返ると、昼間のように明るい照明の下に映し出されたのは、紛れもなく安清の顔だった!

楚凌はこの時、資料室の影が作り出した一角からゆっくりと歩み出てきた。彼は均一な速度で安清に近づき、床を踏む革靴の規則正しい「カツカツ」という音は、まるで釘のように、今まさに悪だくみを抱いているその人物の心に一本一本打...