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209話

また、潜在的な危険性を一旦置いておくとしても、謝雲から与えられたこの任務自体が問題だ。いわゆる「強い龍も地元の蛇には敵わない」というように、何の社会的基盤もない状態で素手空拳で入り組んだ勢力の中から一杯を掠め取ろうとするのは、どれほど難しいことか。しかも、謝雲の意図は単に石油区画や鉄鉱山の株式を手に入れるだけではなく、謝家だけに属する富を無理やり確保することなのだ。

この任務は並外れて危険であり、しかも事業の立ち上げ段階でも途中で失敗した場合でも、謝氏グループからのいかなる助けも受けられないし、許されもしない。

だが楚凌には退路がなかった。毎日謝凛の暗殺を警戒して過ごすくらいなら、アフリカ...