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194話

謝雲は人混みの後ろからゆっくりと歩み出て、同時に隣にいた錦に視線で合図を送った。錦はすぐさま謝凛を素早く追い抜いて病室へ入っていった……

謝凛は何も言わず、止めようともせず、ただ僅かに目を細めただけだった。

謝雲は謝凛の向かい、二歩ほど離れた場所に立ち、口元を少し吊り上げながら、ゆっくりとした口調で、一言一言の語尾を微かに上げ、自然と何気ない中に皮肉を滲ませて言った。「お父上、『青は藍より出でて藍より青し』という言葉をご存知でしょうか?」

本来なら、謝凛が冷静さを保って手順通りに進めて最終的に楚凌を殺すことになれば、謝雲も何も言えなかっただろう。しかし、後患を断つために楚凌を暗殺するとい...