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178話

「まずは鉄筋を抜き出して、傷口の周りの埃を清水で洗い流さないと。そうしなければ、この足は廃人になりかねない」言い終わると、謝雲は楚凌の腕を自分の肩に回し、彼を支えながら、来た方向へと少しずつ移動し始めた。

楚凌は黙ったまま謝雲の動きに身を任せていたが、数歩歩いただけで、脛の傷が彼に現実を突きつけた。「放せ!お前一人なら、こっちから抜け出して奴らの捜索から逃げられるかもしれない。俺を連れていたら、結局は二人とも逃げ切れなくなる」

楚凌がこのような言葉を謝雲に告げたことは、おそらく彼自身も気づいていなかっただろうが、ある微妙な心理的観点から見れば、この瞬間、彼の謝雲に対する感情は、単なる憎しみ...