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174話

「なぜ彼を救いに来たのか?」

楚凌は思った。彼と謝雲の関係は、鉄格子の中に謝雲を閉じ込めた時点で、すでに明白なはずだった。彼は謝雲を憎んでいる。そして今回の一件の後、謝雲も必ず彼を許さないだろう。彼らの間では、どちらかが死ななければこの争いは終わらない。今、この敗者である自分が、本来は謝雲のために用意した墓場に葬られ、すべてがここで終わるのが、最良の結末ではないのか?

それなのに謝雲……なぜ戻って来て俺を救うんだ?お前だって分かっているはずだ。俺を救っても、お前にとっては害こそあれ、一つの得もない。しかも、こんな危険な状況では、お前も俺と一緒にここに取り残される可能性が高いというのに!

し...