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145話

楚凌の言葉に気づかぬうちに含まれていた緊張感に、謝雲は面白さを覚えた。彼は楚凌に一瞥をくれると、わざと湿り気を帯びた曖昧な視線で楚凌の身体を軽く一舐め。そして何気なく頷くと、あっさりと認めた。

「俺は女に、興味が湧かないんだ」

楚凌は明らかに自分に向けられた謝雲の視線を意図的に無視し、少し俯いた。前髪が垂れ下がり、その影が瞳の奥をより一層深く見せている……

なるほど、これだけ長く謝雲に仕えていても、側に愛人のような女性を見かけなかったわけだ。

謝雲はその後、酒杯を手に取ったが、飲むことはせず、手の中で弄んでいた。元々軽やかだった口調が突然、格段に真剣で深みのあるものに変わった。

「この手で...