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118話

「以前のヤツを許していたのは、お前に忠誠を尽くしていたからだ。だがこいつは?お前に恭順でもなく、忠誠心もない。普段のお前なら、とっくに送り返して洗脳し直すか、始末してしまっているはずだ。とにかく、そばに置いておくことなどしないだろう」

ここまで言って、龍騰飛雪は夜空のように静かで輝きのある漆黒の瞳で謝雲をじっと見つめた。朱色の唇が開き、微笑みを浮かべた口元が言葉のリズムに合わせて開いたり閉じたりしながら、一語一語はっきりと告げた。「そんな面倒なことをしている時間も労力もないでしょう?」

その言葉を聞いて謝雲は小さく笑った。彼が瞬きをすると、目の前にあの傲慢で頑固な男の姿が浮かんだ。あの凛と...