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670話

「こんなに弱いのか?」

冷氷雲は思わず首を振るしかなかった。

清風子、かなり名の知れた散修だ。

だが冷氷雲のような、かつて論理主義が力を入れて育成した軍の天才から見れば、やはり大きく劣っていた。十級の陣法の加護があったとしても、清風子が冷氷雲に勝つ見込みは薄い。

冷氷雲の心には、どうしても失望の感情が湧き上がってきた。

論理主義の未来を、こんな弱者に託せるだろうか?

これは宇宙なのだ……

強者が跋扈し、弱肉強食の世界!今、中継ステーションで水藍星を虎視眈々と狙っている連中も、誰もが清風子クラスの実力者ばかりだ。

そうでなければ、彼らも分け前にあずかろうなどとは思わないだろう。

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