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609話

劉彬はこの老人を食い入るように見つめ、心中に激しい波が立った。

この言葉の意味は、彼が老方を知っているということなのか?

老人は神秘的に微笑んだ。「大げさに驚く必要はない。宇宙は悠久の昔から存在し、私が知らぬ者などほとんどいないのだよ」

劉彬は深く息を吸い込んだ。「彼はどんな人物なのですか?」

老人の顔に追憶の色が浮かんだが、口にしたのは別のことだった。「若いの、無料情報はここまでだ。これからは情報であれ物であれ、私の欲しいものと交換せねばならんよ」

「え?」

劉彬は一瞬呆然とした。

老人はソファにだらしなく横たわり、酒瓶を手に取ってゆったりと飲み始めた。「私は付柳子と申す。数万...