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608話

「島が、まるで消えてしまったなんて！」

飛行機は空中で何周も旋回していた。

夏雨晴が諭すように言った。「劉彬、やはり本当になくなってしまったんじゃないかしら」

簡忠謀も口を開いた。「小島が海に飲み込まれるのはさほど珍しいことではありません。それに駱駝島は北極圈に近く、氷河の融解で海面が上昇し、小島が沈むのも自然なことです。劉総、私たちは…」

劉彬は首を振り、目を細めた。「何かおかしい。近くの空港に着陸して、船で海に出よう！」

簡忠謀と夏雨晴は顔を見合わせたが、特に何も言わなかった。簡忠謀は欧米に広い人脈を持っており、数回の電話で近くに空港のある小島に着陸することができた。

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