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566話

同じ頃。

ヨーロッパのとある神秘的な城。

「伯爵様、サタンからの指示が届きました!」

「話せ」

「劉彬という震旦人を追跡抹殺するよう命じられております」

「すぐに手配せよ!」

「かしこまりました!」

……

崑崙山脈。

全身白づくめの人物が、断崖の上に佇んでいた。

よく見なければ、それが人間だとは分からない。まるで太古の昔からそこに立ち、この神秘的な雪山の奥深くと一体化したかのようだった!

風霜にも厳寒にも無頓着に、彼はそこに立ち続け、瞬きひとつしない。

「何の用だ?」

突然、彼はまぶたをわずかに動かし、振り向きもせずに背後の気配を察知していた...