4話
女は彼より数日遅れて入院してきた。原因は同じく交通事故だった。夫は付き添いたがったが、部屋には空きがなかった。金を出して場所を買おうとしたものの、誰も相手にしなかった。そのため彼らは周囲の人間に不満を抱き、あらを探しては文句を言い続けていた。これはもう一日や二日の話ではなかった。
以前、劉彬が昏睡状態だった頃、劉の母は実直で素朴な性格ゆえに、いつも言葉で圧力をかけられていた。彼らはそれに慣れ、特に気にも留めていなかった。しかし劉彬が目覚めた今、母親が侮辱されるのを黙って見過ごすことはできなかった。
「田舎者と同じ病室にいるあんた、ウジ虫なの？白くて太ってるけど、ちょっと糞でも食わせたら、ハエになれるんじゃない？」
劉彬は目を細め、その女の側に歩み寄り、見下ろすように彼女を睨みつけた。その目からは冷たい光が放たれていた。
白くて太った女は劉彬がこれほど強気だとは思わず、一瞬言葉を失った。
突然ドアが開き、一人の男が叫びながら飛び込んできた。「このガキ、何するつもりだ！」
白い太った女の夫だった。坊主頭で腹が出て、がっしりとした体格の男は劉彬の前に立ち、一気に彼の首を掴むと、壁に向かって押し付けた。
ドン！
鈍い音が響き、劉彬は目の前が暗くなるのを感じた。
「どういうことだ！また転移したのか？まさか！」
劉彬は驚愕した。さっきまで病院にいたはずなのに、今は漆黒の空間に現れていた。
無限に広がる暗闇の中、中央には眩しい白い光があった。
「これは何だ？」
劉彬が近づくと、白い光の中に巨大な立方体のパズル—魔方陣が浮かんでいるのが見えた。六面それぞれが異なる色を持ち、白い光に照らされてやや暗く見えていた。
「お前が俺をこの世界に連れてきたのか？」
劉彬は震える手を伸ばし、魔方陣に触れた。血が繋がるような感覚が脳裏に広がった。彼には予感があった—自分の転移、生まれ変わり、そして特殊な能力の獲得は、目の前の魔方陣と密接に関連しているのだと。
彼が軽く触れると、まばゆい赤い光が突然放たれ、瞬時に劉彬の全身を包み込んだ。
「宇宙魔方陣、起動！」
「初回起動、炎の継承、身体能力、強化、戦闘意識、入力」
「肉体を人類の頂点まで強化」
「契約締結完了」
冷たい声が四度響き、劉彬は全身に激しい震えを感じた。その声とともに、体に天地がひっくり返るような変化が起きていた。
「宇宙魔方陣の尊厳は侵してはならない。第一任務を発行する—敵を打ち破れ。任務レベル、0。成功報酬、なし。失敗罰則、生命の終結」
「なんだよそれ？生命の終結？報酬なし？これ、不公平じゃないか！」
劉彬の意識が戻ると、脳内に響いた声がいつまでも残り続けていた。
目の前の景色が変わり、彼はまた病院の病室に戻っていた。
目の前の屈強な男の凶悪な目には、軽蔑の色が満ちていた。