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384話

空間の雰囲気が、突然変わった。

先ほどまでの血なまぐさい光景、恐怖の気配が、瞬く間に消え去った。

風雨が収まり始め、黒い空が白みを帯び始めた。

皆がまだ状況を把握できないうちに、鳥のさえずりと花の香りに満ちた世界に立っていた。

全員が呆然としていた。

劉彬は死んでも思いもしなかった。この所謂「悪魔」、つまり漠北の人々が「砂漠の神」と呼ぶ存在が、こんな環境に住んでいるとは。ここは白亜紀の地球環境のようで、多くの珍しい植物や動物、劉彬が見たこともない生き物たちがいた。だが否定できないのは、ここの環境があまりにも素晴らしいということだ。

温度は快適で、空気は清々しい。

全...