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358話

部屋の中が一瞬にして静まり返った。

この悪魔について語るとき、沈芳菲のあまりにも美しい顔には、恐怖の色が浮かんでいた。

そんな表情を見て、劉彬はなぜか彼女を守りたいという衝動に駆られた。

やっとのことで、彼は舌先を軽く噛み、平静さを取り戻した。

沈芳菲は座ったまま、思い出に浸る表情を浮かべていた。

「あの年、本来なら私には参加する資格はなかったんです。でも白家の長男様は、幼い頃から私がお世話してきた方で。彼は白家の天才でしたが、ある奇妙な病を抱えていて……」

ここまで話すと、沈芳菲の頬に一筋の紅潮が走った。

劉彬は当然、これが男女の関係に関わることだと察した。だが不思議なことに、...