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243話

「老方!」

その布の下には、見た目は非常に普通の石が置かれていた。全体が黒く、両手のひらほどの大きさだ。一見すると、ただの普通の石で、翡翠の原石ですらない。

だがこんな普通の石がオークションに出されるはずがない。

だから劉彬は目を凝らして見つめた。彼の鋭い目は、すぐにこの石の尋常ならざる特徴を見抜いた!

石の中には、奇妙な赤い気が緩やかに流れ動いていたのだ!

「火の精華か?」

老方も思わず驚きの声を上げた。

「こんなに純度が高いとは!」

「ありえない、どうしてこんなものが…水藍星にあるはずのないものだ!」

いつも静かな老方の声に、珍しく動揺が混じっていた。

「そんなにすごい...