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168話

「張鋒だ!」

全員が無言のまま張鋒を見つめていた。特に宋楚、宋家の現当主は、一瞬にして何歳も老け込んだように見えた。宋軽語は心の準備をある程度していたものの、全てが確認された瞬間、やはり目まいがするような感覚に襲われた。

誰も言葉を発することができず、皆が一様に張鋒を見つめていた。

十歳の頃から名を省都に轟かせた天才少年。自信と才能は常に彼の代名詞だった。どこへ行っても注目の的となる存在。

出自は良くなかったが、幸いにも宋家に生まれた。

家将の身分でありながら、宋家から重用され、実子に劣らぬ熱心な育成を受けてきた。

もし順調に成長を続けていれば、張鋒の成果は現在の宋楚をも超える可能...