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731話

趙柱根は銃口を少し引き、再びゆっくりと前に進め、今度はもう少し深く入り込んだ。そうして何度か繰り返すうちに、銃口全体が香泉に包まれ、その先端が柔らかな障壁に触れた。これが彼女の膜だろう。

趙柱根は突然迷いを感じた。このまま続けるべきか。続ければ、彼女は二十年以上大切にしてきた膜と別れ、女性になる。

ここでやめれば、彼女は最後の防線を守り、将来の夫や彼氏のために残せる。

突き進めば彼女を傷つけることになるし、やめれば自分が納得できない。他人に良いところを取られるくらいなら、趙柱根の女にしてしまおう。趙柱根の病院での地位と権力があれば、彼女は確実に良い生活ができ、些細なことで悩むこともなくな...