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711話

李媛媛は嬉しそうな様子で、趙柱根が彼女の体から抜き取ったばかりの凶器を握り、その表面に付着した粘液や汚れなど気にも留めていないようだった。

そして、彼女は誘惑に満ちた声で趙柱根の耳元で囁いた。「お父さん、もう一回しましょう!」

彼女が何を言ったのか趙柱根にはよく聞き取れず、頭が一瞬反応できなかった。

だが趙柱根の身体、彼女に握られているその身体は、すでに硬くなることで応えていた。趙柱根の喉は鉛で満たされたかのように重く、声帯も熔けた鉄で溶接されたようだった。

李媛媛が不思議そうに再び問いかけてきた時、ようやく趙柱根は微かな声を出すことができた。

「お父さん、何て言ったの?聞こえなかった」

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