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692話

浴室に身を滑り込ませた。

浴室に立ち、趙柱根は身につけていた服を全て脱ぎ、鏡に映る自分の姿を黙って見つめた。

先ほど趙柱根は女の手を避けたが、一体何から逃げていたのだろう。

ここに来たのも、女を呼んだのも、欲求を発散させるためではなかったか!なのにどうして?

趙柱根は自分の下半身を見下ろした。そこは今、まったく反応を示さず、勃ち上がる気配すら微塵もなかった。

まあいい、とりあえず風呂に入ろう。

趙柱根は少し体を傾けて横目で確認した。やはり予想通り、このガラス壁のおかげで浴室の外から中が見えるだけでなく、浴室の中にいる者も外の人間の動きを完全に見通せた。

女はタオルを巻いたままスマホをいじってい...