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682話

趙柱根はただ、ただ、そう、ただベイポウアルのことを思っていただけだ。李媛媛とベイポウアルを混同しただけなのだ。

そう、絶対にそうに違いない。

趙柱根は目を閉じ、声を抑え込んだ。

だが最後の瞬間、趙柱根はついに堪えきれず低いうめき声を漏らした。

「うっ、うっ」

熱い液体が濃厚な匂いを伴って、立てかけられたトイレの蓋の内側に叩きつけられた。

趙柱根は必死に体内の欲望を解放していた。李媛媛の匂いに包まれたこの狭い空間で、趙柱根はベイポウアルの顔を思い浮かべながら、何年ぶりかも分からない自慰行為に耽っていた。

長い時間が過ぎ、ようやく趙柱根は目を開いた。

散々な状態になったトイレの蓋を見て、趙柱根は自...