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678話

李媛媛の声はどこか乾いていた。彼女の視線は依然として趙柱根の背後に釘付けになっており、趙柱根はより一層居心地の悪さを感じていた。

「分かったわ、そこに置いておいて」

趙柱根は振り返って彼女を見る勇気がなかった。より正確に言えば、趙柱根は正面から李媛媛と向き合うことができなかった。

そこに立っているのは他人ではなく自分の娘の李媛媛であり、こうして互いに素肌を晒し合うのも初めてではないのに、趙柱根は耐え難い恥ずかしさを感じ、今すぐにでも浴室から飛び出したいと思った。

「うん、じゃあ、ここに置いておくね」

趙柱根は服が置かれる音は聞こえたが、ドアが閉まる音は聞こえなかった。

「媛媛」趙柱...