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1047話

趙柱根

貝宝児は隅の空いたテーブルに座り、料理を注文してから他愛もない話をしていた。

「こんな美人はなかなか見かけないねぇ。兄弟、どこの組の者だ?」

隣から酒臭い中年男が近づいてきた。彼はフラフラと千鳥足で歩いていた。趙柱根は酔っ払いだと思い、相手にせず、貝宝児との会話を続けた。

趙柱根の胸に寄りかかっていた彼女もこういう事態は初めてではなく、その酒臭い男を一瞥もしなかった。

「お前どこの組だ?こいつが誰か知ってんのか?」

酔っ払いの横からさらに、二十歳にも満たないような若者が現れた。

奇妙な格好をした若者で、カジュアルパンツにシャツ、髪は派手に染め上げられ、一目で碌なことをして...