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266話

蒋旭はこの石炉を見て、自分もかつてここで錬成されたことを思い出した。

「太上老君、炉が二つもあったんですね。一つだけだと思っていました」蒋旭は笑いながら言った。

「わしを甘く見すぎておるな。教えてやるが、こういった丹炉はまだまだあるのじゃ。後でひとつ見せてやろう」

太上老君はそう言うと、すぐさま三昧真火を使い、蒋旭を別の部屋へと案内した。

「中に入って見てみるがよい。あまり驚くなよ」

蒋旭は頷いて扉を押し開けた。心の準備はしていたものの、驚きの表情を隠せなかった。

部屋には五つの丹炉が整然と並べられ、炉の下では三昧真火が勢いよく燃えていた。そして各炉の上には、それぞれ金丹が一つずつ...