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245話

団地に入ると、田敬恒は蒋旭の背後にぴったりと付き、いつでも出手できる準備を整えていた。

五階に着くと、蒋旭が突然足を止め、長い廊下へと方向を変えた。田敬恒の心臓は今にも飛び出しそうなほど高鳴っていた。

一室の前で蒋旭は立ち止まり、体内の真元を巡らせると、強い力で扉を蹴り開け、すぐに脇の壁に身を隠した。

田敬恒が蒋旭の行動に首を傾げていると、彼はその場から忽然と姿を消し、続いて部屋の中から法術の攻撃音が響いてきた。

恐る恐る部屋の中を覗くと、蒋旭と天蛾の精が激しく戦っている姿が目に入った。その傍らには数人の遺体が横たわり、蘭龍は無表情のまま隅に寄りかかっていた。

「旭兄、援護するぞ!」...