Read with BonusRead with Bonus

31。ベンジャミン

ジャスパーの視点

翌朝、ベンジーがそばにいない状態で目を覚ました。ため息をつき、俺は大失敗を犯したことを悟った。とんでもない失敗だ。

昨日は最悪だった。家に戻るという決断に自信満々だった。俺たちは幸せだったし、ジェイムソンにも気軽に挨拶できた。だが、母さんと会った瞬間、俺の中の自信は跡形もなく消え去った。ほんの数分話しただけで、俺は尻尾を巻いてしまう。彼女が今でも簡単に俺をそんな状態にできるなんて、くそ腹が立つ。

パジャマのズボンをはき、俺は真っ直ぐタラの部屋に向かった。そこには、俺の人生で最も愛する二人が穏やかに眠っていた。タラはベンジーの胸に心地よく寄り添い、ベンジーは彼女の...