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第48話

第四十七章

「でも、何か特別なことをお祝いしてるの?」

あっ、驚きをバラしそうになった。私は急いで首を横に振る。

「ううん、ただ今日お菓子を焼きたかっただけ。甘いもの好きでしょ、知ってるくせに」と生意気な口調で言いながら、彼にナイフを手渡す。「ほら、切って」

彼はしばらくケーキを見つめて、私はまたため息をついてしまう。この忌々しいケーキを見ながら。

ケーキはかなりおかしな形になっていて、真ん中に大きなクレーターがあり、アイシングも片側が薄すぎて、もう片側が厚すぎて、全体的に傾いている。それに、フルーツで飾りつけしようとしたけど、まるでフルーツの妖精がこの忌々しいケーキの上に吐いたみたいな見た...