王の恋人

第43話

翡翠心宮では、リード・ジェイスとレオ・グラントは非常に心配していた。彼らの主人がヴァレリウス・エヴァンダーと共に夕方から出かけたまま、今になっても戻ってこなかったからだ。ようやく入り口に彼のシルエットを見つけると、二人は安堵して駆け寄った。

「殿下、お戻りになられましたか！」

イーサン・ケイランは中に入ると、魂が抜け出たかのような様子だった。全ての力が抜け落ちたようで、彼は敷居の上で崩れ落ちた。リード・ジェイスとレオ・グラントは慌てて彼を支えに駆け寄った。

「殿下、一体何があったのですか？」

イーサン・ケイランはかろうじて鳳凰の瞳を開き、二人の護衛を見つめて囁いた。「風呂に入りたい」

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