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第29話

翡翠心宮では、優しい朝の日差しが部屋の隅々まで繊細に染み込み、精巧に彫られた木の壁に金色の色合いを映し出していた。大きく開かれた窓からは、咲き誇る花々の香りと鳥たちの美しいさえずりに満ちた庭園の景色が広がっていた。ベッドの上では、イーサン・ケイランが静かに横たわり、その顔は彫刻された翡翠のように美しく、繊細な表情の一つ一つが金色の光に照らし出されていた。彼の長いまつげが僅かに震え、ゆっくりと目を開けると、体が痛いほど弱り、喉が渇いているのを感じた。近くに立っていたリード・ジェイスとレオ・グラントは、彼が目を覚ましたのを見るやいなや、彼のベッドサイドに駆け寄った。

「殿下!お目覚めになられまし...