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第20話

ヴァレリウスの意図を理解し、財務大臣のロバート・エランが立ち上がり話し始めた。

「陛下、イーサン王子はアリアの王族であり、名誉ある地位を与えられるべきです。儀式大臣または帝国学院総長の役職が、国政に干渉せずに我々の敬意を表すのに相応しいと存じます」

左大臣のドミニク・エヴェラードが付け加えた。

「陛下、イーサン王子の高貴な身分には大師傅の地位が相応しいかと存じます」

ヴァレリウスは熟考した後、カシアン・ライトウッドに向き直った。

「カシアン、君の意見は?」

若い頃から文才で知られるカシアン・ライトウッドは、二十歳で帝国試験に合格し、今は二十七歳ほどだった。ヴァレリウスは彼を深く信頼し、外...