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第19話

玉座に座っていたヴァレリウス・エヴァンダーは、以前にイーサンの肖像画を見ていたが、実際の彼の姿は期待をはるかに超えていた。ヴァレリウスは一瞬呆然とし、彼に立ち上がる許可を与えるのを忘れていた。

異常な沈黙に気づき、宮廷官僚たちは顔を上げ、ヴァレリウスの反応に驚いた。自分の失態に気づいたヴァレリウスは、すぐに威厳ある態度を取り戻した。

「イーサン王子、お立ちなさい。ヘリオスへようこそ」

イーサンは顔を上げ、ヴァレリウスの賞賛のまなざしを穏やかで敬意に満ちた目で受け止めた。

「陛下、ありがとうございます」

イーサンは優雅に立ち上がり、秋の湖のように静かな視線を向けながら脇に寄り、ゼインとハリ...