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第82話

チェイスの視点

階段を降りていると、携帯が振動した。マットにメッセージを送っていたから彼からの返信かと思ったけど、確認するとオースティンからだった。

「あのさ、頼みがあるんだけど。マットのことなんだ」

マット?彼は俺のメッセージに一切返信してこなかったのに、今オースティンが彼の話を持ち出すなんて。

「どうしたの?」

数秒後、オースティンの返信が届いた。

「リアムのチームが一人足りないんだ。マットは昔やってたけど、代わりに入るのを断ったんだ。リアムが、君なら彼を説得できるかもって」

オースティンのメッセージを読みながら、俺は小さく笑った。

マットは昔プレーしてたって?もち...