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第15話

彼はマジでうざい、ほんとに。

でも選択肢がなかったし、もう既にキャンパス中で話題になっているかもしれないと思ったから、彼の言う通りにした。教室に戻るんじゃなく、図書館へ本を取りに行った。

図書館に着くと、本を置いた棚へまっすぐ向かったけど、ある男がすでにそれを持っているのを見た。

「ちょっと待って」彼が立ち去る前に、右肩に手を置いた。

「なに?」彼は混乱した様子で振り返った。制服のロゴの色から判断すると、工学部の三年生だろう。

「あの、先に本を借りてもいいですか?」丁寧に尋ねた。

「悪いけど、俺が先に取ったんだ」彼はニヤリと笑った。

彼が立ち去ろうとした時、私は本をつかんだ。彼は...