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第108章

翌朝

チェイスと僕は家の外に立っていた。遠くから聞こえるトライシクルのエンジン音が、こちらへ近づくにつれて大きくなってきた。空は澄み渡り、空気はすがすがしい――この場所ではいつもそうであるかのように。離れたくなかった。まだ。

おばあちゃんの方を振り返ると、彼女は戸口のすぐ外に立っていて、その温かい微笑みは絶えることがなかった。僕たちはおばあちゃんに別れを告げた。すると、予期していなかった胸の締め付けを感じた。もうすでにおばあちゃんの温かい笑顔、穏やかな声、そして何もかもを我が家のように感じさせてくれるその雰囲気が恋しかった。

「二人とも、気をつけてね?」彼女は僕たちの両手を自分の手で包み...