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第107章

オースティン視点

木製の引き出しに歩み寄り、その上に置かれていた額縁入りの写真を手に取った。チェイスの古い写真で、おそらく5、6歳の頃のものだ。丸い頬、輝く瞳、そして満面の笑顔が、とても愛らしく見えた。

私の唇に小さな微笑みが浮かんだ。こんな風に彼を見るのは不思議な感覚だった——こんなに小さく、こんなに無邪気な姿。

しかし、その時、何かが内側で変化した。奇妙な感覚が胸に広がり、どこか懐かしいような、でも正体のつかめない感覚だった。

眉をひそめ、写真をじっと見つめた。まるで以前にも彼を見たことがあるような気がした——大学で出会うずっと前に。

その考えが浮かんだ瞬間、突然の痛みが...