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セルシ・ラニスター 034

「サーシー、ちょっと図書室に来てくれないか?」ベンが私に声をかけてきた。その時、私とメイズリーは床に座って『オズの魔法使い』を見ていた。「心配しないで。ロジャーが時計を修理しているから、彼が見ていてくれるよ」

彼は私たちの向かいにある食堂にいる年配の男性に目をやった。男性は両手に白い手袋をはめ、黒いドレスパンツと白いシャツを着ていた。ベンが彼の名前を呼ぶと、彼は顔を上げて優しく微笑んだ。私はメイズリーを置いていくのに気が進まなかったが、メイズリーは気にしないだろうし、ベンは完全に信頼できる人しか家に入れないことも知っていた。

「ありがとう」私は立ち上がりながら彼に言った。

「どういたしまし...