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セルシ・ラニスター 029

セルシー・ラニスター:

彼は卑怯だった。

あんなことを言って、私を抱きしめるなんて、フェアじゃない。だってそれで私が溶けてしまわないわけがないじゃない。身体を動かして彼の方を向くと、彼はあの大きな青い瞳で私を見つめ返してきた。

「キスしたい」と彼は囁き、私は喉の奥のしこりを飲み込みながら、唇の距離を縮めるように身を寄せた。彼のキスは優しかったけれど、同時に過去三年半抑え込んできた燃えるような欲望に火をつけた。気づけば、私たちの口は開き、舌が絡み合い、体は互いに熱心に擦り合わせていた。彼の手が私のセーターの下に入り込み、ベッドの真ん中で起き上がりながら私の胸を包み込んだ。

「ベン」彼の唇が私の...