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チャプター 77.ヒーリング

ママがようやく、ベッドからリビングのソファへの移動を許してくれた――ブランケット・ブリトー状態で、ティッシュの箱と、起き上がれたご褒美みたいなレモンティーのマグカップを脇に置いて。水曜日の空は白く漂白されたようで、昨夜の霧雨で空気はまだ湿っていた。『グッド・オーメンズ』の新しい章を読み始めたところで、ドアのチャイムが鳴った。

「誰か来る予定あった?」キッチンからママの声がした。

「ううん?」私はしゃがれた声で答えた。

ママがドアを開けると、アリスが転がり込んできた――オーバーサイズのボンバージャケットを着て、ウルフカットの髪は目立ってくしゃくしゃだ。後ろにはボリスが、招き入れられたのか逮捕され...