深い洞窟から高らかな山巓まで

チャプター 63.顕微鏡下で

何にも集中できなかった。目の前の先生の単調な声も、ノートに書かれた文字も。十分おきにアリスが肘でそっと私をつついて現実に引き戻そうとしてくれるのさえ、気もそぞろだった。頭にはまるで綿でも詰まっているかのようで、胸が……ああ、胸が、まるでゆっくりと絞られるように痛んだ。

アイリーンからは週末からメッセージがなかった。

簡単な「やあ」の一言すらない。絵文字も。何にも。

最初は考えすぎないようにした。ただ忙しいだけかもしれない。何かあったのかもしれないって。でも月曜日が過ぎ、火曜日が過ぎた。そして廊下で彼女の姿を見かけるたび――もちろん、探していたから見かけるんだけど――彼女は一人じゃなかったり、私...