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第63話

カイの視点

「カイ…どこに連れて行くの?」ナイトは千回目の質問をしながら、また一人の警備員の横をこっそり通り過ぎ、キャンパスの奥へと向かった。

「しーっ…」私は唇に指を当て、静かにするよう伝えた。「もう少しだけ」

「でも…ここって立入禁止区域じゃないの?特に放課後は?」ナイトは慎重に尋ねた。夜のキャンパスに入るのを少し恐れているようだった。

「大丈夫だって、心配しないで」私は唇に笑みを浮かべながら彼を引っ張った。「私がついてるじゃない、忘れた?」

「それのどこが安心できるんだ?」彼は眉を上げた。

「そんなにつまらない人にならないでよ!」私は彼の腕を取り、クラブハウスを駆け抜け、よう...