悪い男の、汚い小さな秘密 BL

第54話

ナイトの視点

洗面所に入って顔に水をかけていた。カイはサヤをバス停まで送って行ったところだ。あの気味の悪い男が突然現れるかもしれないからという理由で。

カイの前ではまだ認めていないけれど、私は彼を不当に判断していたことに気づいている。それも、彼の過去の姿のせいで。

確かにカイは大物プレイヤーだった。彼は数え切れないほどの女性と関係を持ち、誰とも本当の関係を持とうとしなかった。ルビーとさえも。でも、カジュアルな関係や一夜限りの関係を持っていたのはカイだけじゃない。

私も彼と同じだった。

でも、あの夜、クラブの洗面所で彼が私たちのプライバシーを守るためにドアを閉めた時、私たちの目が合った...