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第36話

カイの視点

俺はこれまでに、今この野郎の顔の全ての歯を叩き潰したいと思うほど、誰かの顔面をぶん殴りたいと思ったことはなかった。

俺がこんなことを言っているのが少年の父親についてだということ…しかも、その少年とは肉体関係を持つことを考えていて、もしかしたらそれ以上のものになるかもしれないと思っていた相手の父親だということが…自分でも衝撃だった。

ナイトがどうしてこの男を我慢できるのか、俺には理解できない。自分の息子が公言してゲイであることを知っているのに、彼に対してあんな考えを持っているなんて。

ナイトが大学にあんなに近いのに自分の家に滞在するのを嫌がるのも無理はない。父親が彼のために用...