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第30話

カイの視点

「本当に大丈夫なの?」ベッドに座ってソックスに苦戦しながら授業の準備をしているナイトに尋ねた。「プールの撮影では水に入らないといけないけど、まだ熱も下がってないんだぞ」

「大丈夫だって」彼は主張した。「もうずっと良くなってるよ」

死体が温められたような彼の様子を見る限り、それは疑わしいと思ったが、何も言わなかった。彼は大人なんだ。自分で対処できるはず…だよね?

「俺が学部まで送っていくよ」私はベッドから立ち上がり、バックパックを肩にかけながらきっぱりと言い、彼のバックパックを手に取った。

ナイトは抗議したそうな顔をしたが、私が肩越しに一瞥すると黙ってしまった。「わかったよ...