義母に誘惑されて

第65話

ニコライ・ソコロフという名前が毒のように私の心に残っていたが、今は他にも心配事があった。

エブリンのアパートを出るとすぐに、私の携帯電話が鳴った。

知らない番号からだった。

無視しようかと思った。

でも何か直感が、出るべきだと告げていた。

「もしもし？」

間があった。長く、不快な沈黙。

そして…

「ベラ」

私の心臓が止まった。

その声を知っていた。

何年も聞いていなかった。

でも決して忘れたことはなかった。

「ヘレナおばさん」

隣にいたクララが、私の表情の変化に気づいて身を硬くした。

電話の向こうの声は落ち着いていた。あまりにも落ち着きすぎていた。「久しぶりね、...